【 庚申(こうしん)塔(とう) 】
庚申信仰が絶えた後も街道の道標として、集落の守り神、賽ノ神として世相の移り変わりを見つめてき。傷みが激しいが、彫られている神は青面金剛で道教の神、手が6本あり、弓矢を持つ。頭上に日、月、雲を配し、足下に見ざる、言わざる、聞かざるの三猿を刻む。道教と日本の古代神話、猿田彦の伝承が一つになったものである。明治時代になると、政府は庚申信仰を迷信と位置付けて街道筋に置かれたものを中心にその撤去を勧めた。現在、残存する庚申塔の多くは寺社の境内や私有地に移転されたものや、もともと交通量の少ない街道脇に置かれていたため開発による破壊を免れたものである。